投稿者「Koichi」のアーカイブ

2025.6.9. “Simultaneous achievement of large anomalous Nernst effect and reduced thermal conductivity in sintered polycrystalline topological Heusler ferromagnets” がActa Materialiaに掲載が受理されました

岩手大学の修士学生だった高森健太さんの成果をまとめた論文 “Simultaneous achievement of large anomalous Nernst effect and reduced thermal conductivity in sintered polycrystalline topological Heusler ferromagnets” がActa Materialiaに掲載が受理されました!

本研究では、電子バンドのトポロジカルな性質に起因し大きな異常ネルンスト効果を示すCo₂MnGa (CMG) 合金を焼結法で作製し、その電気・熱輸送特性を評価しました。その結果、巨大な異常ネルンスト係数を保持しつつ、フォノン散乱を増大させることで熱伝導率を低下させることに成功しました。これにより焼結条件を最適化したCMGにおいて異常ネルンスト効果の無次元性能指数が室温で世界最高値を示すことを明らかにしました。
さらに、TEMを用いた微細構造の観察とフォノンの第一原理計算を組み合わせた結果、数十ナノメートルスケールの結晶相境界でのフォノン散乱が熱伝導率の低下を引き起こしていることが示唆されました。本研究は従来の熱電材料で用いられていた性能指数向上のための材料合成指針が、磁気熱電材料の合成においても有効であることを示しています。この成果は、今後の磁気熱電材料の開発に貢献する重要な知見です。

本研究は、NIMS内田G, Sepehri-Amin G, 只野G, 桜庭Gとの共同研究です。

K. Oyanagi, H. Sepehri-Amin, K. Takamori, T. Tadano, T. Imamura, R. Nagasawa, K. Mahalingam, T. Hirai, F. Ando, Y. Sakuraba, S. Kobayashi, and K. Uchida,
“Simultaneous achievement of large anomalous Nernst effect and reduced thermal conductivity in sintered polycrystalline topological Heusler ferromagnets”
Acta Materialia, accepted (2025).
DOI: https://doi.org/10.1016/j.actamat.2025.121239
arXiv: http://arxiv.org/abs/2501.09965

2026.3.3.-3.6. Iwate Spintronics School, 2026 winterを開催いたします!

2026年3月3日から6日に岩手県八幡平市の八幡平マウンテンホテルにおいてIwate Spintronics School, 2026 winterを開催します。
招待講演者やプログラムなどの詳細は以下のwebサイトをご覧ください。
https://koichioyanagi.com/iwate_spintronics_school_2026/index.html
また、今後、発表していただける若手研究者のレジストレーションを夏頃、開始いたします。
本サイトでもご案内いたしますので、皆様の積極的なご参加を楽しみにしております。
なお、本スクールはJST-APPIRE, JSPS 学術変革領域A キメラ準粒子、岩手大学にご支援いただいております。

2025.2.19-2.21. Iwate Spintronics School, 2025 winterを開催しました!

2月20日〜21日の2日間にわたって岩手大学銀河ホールにおいてIwate Spintrnics School, 2025 winter を開催しました。
国内外より約40名の研究者や学生が集まり最新の研究内容について、活発な議論が行われました。
また、メインのセッションに先立ち19日~20日には若手交流会を開催し、若手口頭発表とポスター発表は大いに盛り上がりました。
招待講演者、参加者の皆様には素晴らしいご発表だけでなく、世代や立場を超えた様々な交流を育んでいただき、充実したスクールにしていただきました。
これまで育てていただいたスピントロニクス分野の発展に少しでも貢献できれば幸いです。

2025.2.6. “Non-contact quantitative measurement of thermal Hall angle and transverse thermal conductivity by lock-in thermography” がPhysical Review Applied に掲載されました

卒研生だった今村拓未さんの成果をまとめた論文”Non-contact quantitative measurement of thermal Hall angle and transverse thermal conductivity by lock-in thermography”がPhysical Review Applied に掲載されました。

本研究では、ホール効果の熱流版である熱ホール効果を従来に比べて簡便で非接触に計測できる新しい測定手法を提案し、代表的な磁性材料に適応することでその実用性を示しました。

本研究は、NIMS 内田Gとの共同研究です。

T. Imamura, T. Hirai, K. Oyanagi, R. Iguchi, K. Takamori, S. Kobayashi, and K. Uchida,
Non-contact quantitative measurement of thermal Hall angle and transverse thermal conductivity by lock-in thermography”
Physical Review Applied 23, 024018 (2025).
DOI: https://doi.org/10.1103/PhysRevApplied.23.024018
arXiv: https://arxiv.org/abs/2501.10485

2025.1.24. 物質・材料研究機構の井口亮主任研究員が訪問されました。

物質・材料研究機構(NIMS)の磁性・スピントロニクス材料研究センター スピンエネルギーグループの井口亮主任研究員に岩手大学へお越しいただきました。
それにあわせて本学において「熱を通して見る物質の世界: 熱計測の基礎から磁性体・誘電体への応用まで」というタイトルで講演していただきました。
講演では、熱計測の基礎から最新の研究動向までを大変わかりやすく教えていただきました。本講演会は学部4年生の特別研修の対象に指定されました。

2025.2.19. ~ 21. Iwate Spintronics School, 2025 winterを開催します

2025年2月19日から21日に岩手大学においてIwate Spintronics School, 2025 winterを開催します。
招待講演者やプログラムなどの詳細は以下のwebサイトをご覧ください。
https://koichioyanagi.com/iwate_spintronics_school_2025/index.html
また、発表していただける若手研究者のレジストレーションを行なっていますのでご参加をご検討いただけますと幸いです。