物質・材料研究機構(NIMS)の磁性・スピントロニクス材料研究センター スピンエネルギーグループの井口亮主任研究員に岩手大学へお越しいただきました。
それにあわせて本学において「熱を通して見る物質の世界: 熱計測の基礎から磁性体・誘電体への応用まで」というタイトルで講演していただきました。
講演では、熱計測の基礎から最新の研究動向までを大変わかりやすく教えていただきました。本講演会は学部4年生の特別研修の対象に指定されました。
投稿者「Koichi」のアーカイブ
2025.1.22. “Non-contact quantitative measurement of thermal Hall angle and transverse thermal conductivity by lock-in thermography” がPhysical Review Applied に掲載受理されました
卒研生だった今村拓未さんの成果をまとめた論文”Non-contact quantitative measurement of thermal Hall angle and transverse thermal conductivity by lock-in thermography”がPhysical Review Applied に掲載受理されました。
本研究では、ホール効果の熱流版である熱ホール効果を従来に比べて簡便で非接触に計測できる新しい測定手法を提案し、代表的な磁性材料に適応することでその実用性を示しました。
本研究は、NIMS 内田Gとの共同研究です。
T. Imamura, T. Hirai, K. Oyanagi, R. Iguchi, K. Takamori, S. Kobayashi, and K. Uchida,
Non-contact quantitative measurement of thermal Hall angle and transverse thermal conductivity by lock-in thermography”
Physical Review Applied, accepted.
DOI: TBD
arXiv: https://arxiv.org/abs/2501.10485
2025.1.20. 論文をarXivに投稿しました。
修士学生だった高森健太さんの成果をまとめた論文 “Simultaneous achievement of large anomalous Nernst effect and reduced thermal conductivity in sintered polycrystalline topological Heusler ferromagnets” をarXivで公開しました。
本研究では、電子バンドのトポロジカルな性質に起因し大きな異常ネルンスト効果を示すCo₂MnGa (CMG) 合金を焼結法で作製し、その電気・熱輸送特性を評価しました。その結果、巨大な異常ネルンスト係数を保持しつつ、フォノン散乱を増大させることで熱伝導率を低下させることに成功しました。これにより焼結条件を最適化したCMGにおいて異常ネルンスト効果の無次元性能指数が室温で世界最高値を示すことを明らかにしました。
さらに、TEMを用いた微細構造の観察とフォノンの第一原理計算を組み合わせた結果、数十ナノメートルスケールの結晶相境界でのフォノン散乱が熱伝導率の低下を引き起こしていることが示唆されました。本研究は従来の熱電材料で用いられていた性能指数向上のための材料合成指針が、磁気熱電材料の合成においても有効であることを示しています。この成果は、今後の磁気熱電材料の開発に貢献する重要な知見です。
本研究は、NIMS内田G, Sepehri-Amin G, 只野G, 桜庭Gとの共同研究です。
K. Oyanagi, H. Sepehri-Amin, K. Takamori, T. Tadano, T. Imamura, R. Nagasawa, K. Mahalingam, T. Hirai, F. Ando, Y. Sakuraba, S. Kobayashi, and K. Uchida,
“Simultaneous achievement of large anomalous Nernst effect and reduced thermal conductivity in sintered polycrystalline topological Heusler ferromagnets”
arXiv: http://arxiv.org/abs/2501.09965
2024.10.29. 東北特殊鋼(株)において原田研究奨励賞受賞者講演会を行いました
本多記念会よりいただいた原田研究奨励賞の受賞講演会を東北特殊鋼(株)において行いました。
また、東北特殊鋼(株)のご厚意で本社工場の見学をさせていただきました。
貴重な機会をご提供くださり、ありがとうございました。
2025.2.19. ~ 21. Iwate Spintronics School, 2025 winterを開催します
2025年2月19日から21日に岩手大学においてIwate Spintronics School, 2025 winterを開催します。
招待講演者やプログラムなどの詳細は以下のwebサイトをご覧ください。
https://koichioyanagi.com/iwate_spintronics_school_2025/index.html
また、発表していただける若手研究者のレジストレーションを行なっていますのでご参加をご検討いただけますと幸いです。
2024.10.10. REIMEI Workshop で口頭発表をしました
REIMEI Workshop: Physics of Advanced Functional Materialsにおいて”Spin current generation in paramagnetic insulators”というタイトルで口頭発表を行いました。
会議の詳細は以下です。
https://asrc.jaea.go.jp/soshiki/gr/spinenergy/workshop/reimei2024/index.html
2024.10.1. 岩手大学 科学技術イノベーション推進ラボ グリーン表面界面ナノ工学ユニットを兼任しました
2024年10月1日より岩手大学 科学技術イノベーション推進ラボ グリーン表面界面ナノ工学ユニットのグリーンデバイス研究チームに加わりました(兼任)。
2024.6.18. 岩手大学の研究紹介に最近の研究成果が掲載されました
岩手大学の研究紹介で、最近の常磁性スピントロニクスに関連した成果を取り上げていただきました。
岩手大学理工学部研究紹介
常磁性絶縁体/金属接合系におけるスピントロニクス機能の開拓と原理解明
https://www.iwate-u.ac.jp/cat-research/2024/06/006265.html
2024.6.12. 村田学術振興・教育財団の研究助成に採択されました
公益財団法人村田学術振興・教育財団の研究助成に「非晶質磁性絶縁体におけるスピン流の生成と伝搬」という研究テーマで採択されました。
2024年度 採択者一覧
https://corporate.murata.com/ja-jp/group/zaidan/requirement
2024.5.25. High-Throughput Optimization of Magnetoresistance Materials Based on Lock-In ThermographyがAdvanced Physics Researchに掲載されました
High-Throughput Optimization of Magnetoresistance Materials Based on Lock-In ThermographyがAdvanced Physics Researchに掲載されました。
本研究では巨大磁気抵抗効果(GMR)によって変化するジュール熱の変化をロックインサーモグラフィ法を用いて検出しました。金属磁性グラニュラー材料に着目し、組成傾斜試料を作製し、ジュール熱の変化の空間分布を可視化することでGMRに最適な組成をハイスループットに決定できる手法を確立しました。
本研究は物質・材料研究機構/東京大学の内田Gr、東北大学の関研究室、物質・材料研究機構の三谷Gr, 桜庭Gr との共同研究です。
R. Modak, T. Hirai, Y. Sakuraba, S. Mitani, K. Oyanagi, T. Yamazaki, and T. Seki, K. Uchida,
“High-Throughput Optimization of Magnetoresistance Materials Based on Lock-In Thermography”
Advanced Physics Research 3, 2400021 (2024).
DOI: https://doi.org/10.1002/apxr.202400021
(Open access)