2020.12.15 論文がApplied Physics Letters誌に掲載されました。

極低温において微細白金に現れる量子干渉効果に関する論文が注目論文(Editor’s picks)としてApplied Physics Lettersに掲載されました。白金でできた微小なリングを作り、その電気抵抗を測るとAharonov-Bohm(AB)効果が現れるという結果です。これまでAB効果は伝導電子のコヒーレント長が長い物質でしか測定がされていましたが今回、スピン軌道相互作用が強い白金においてもAB効果が観測できることを明らかにしました。白金は典型的なスピンホール効果物質なため、スピントロニクス現象と量子干渉効果の融合研究につながる結果です。
本研究は、東京大学齊藤研究室との共同研究です。

R. Ramos, T. Makiuchi, T. Kikkawa, S. Daimon, K. Oyanagi and E. Saitoh
“Observation of quantum interference conductance fluctuations in metal rings with strong spin–orbit coupling”
Appl. Phys. Lett. 117, 242402 (2020).
https://aip.scitation.org/doi/10.1063/5.0031708

arXiv版
https://arxiv.org/abs/2010.01300